久々に本業の話
私の会社の業務は忙しくなっております。
空前の【抹茶ブーム】。
少し前から、海外からの需要が増えてきたのですが、一気に火がついたように、機械の問い合わせや受注が増えてきております。
忙しいのは私達だけではありません。
抹茶の需要が増えて、作れば作るだけ売れるので問屋さんも大忙し。
原料となる碾茶(てんちゃ)を手に入れる為に、競合店と取り合い状態。
今までのような価格では競り落とす事が出来ないので、原料の価格も跳ね上がります。
去年と比べて2倍〜3倍とか、地域によっては5倍なんて話も聞きます。
農家さん達はウハウハ
いつもなら二番茶、三番茶と呼ばれる物を生産していた農家さんは、この暑い時期にワザワザ収穫するのが嫌になって
「一番茶だけでやめてしまった」なんて人もいるとか…。
それだけ、一番茶の価格が良かったからなんでしょうけど。

ここで頑張る人はもっと稼げる?
例年、二番茶以降のお茶は品質も落ちるので、価格も落ちます。
ところが、海外からの需要が増え続けているので、二番茶だって、例年とは比べ物にならない金額で買い取ってもらえているようで…。
ただ、毎年の異常な暑さの中、二番茶、三番茶を収穫するのは、体力との戦い。
今年はやめとこうって思う気持ちも分かります。
煎茶から碾茶へのシフト
価格が跳ね上がっている噂はどんどん広まり、今まで煎茶を頑張って作っていた農家さん達が
「これは、碾茶を作った方が儲かるぞ」と、
「低迷していた煎茶をやめて碾茶にシフトしよう」と考える。
さらに、新たに碾茶工場を建てて直ぐにでも始めるぞ!という人達も増え始めております。
国から出る補助金なんて物もあったりで、こぞって立候補する人がいるようで、
海外だけでなく国内からも機械の受注が増えて、私達も大忙しです。
ありがたいけど…正直、手に負えん
有り難い限りですが、正直手に負えないくらい忙しい。
同業の方と話す機会がありましたが、やはり何処も忙しい様子で、ある会社の営業マンなんて、
「今年は仕事を取ってくるな!来年も取らなくていい!」と指示されてるとか…。
そんな異常な命令が出るくらい、抹茶の需要が急騰していると感じでおります。

煎茶の未来は?
では、煎茶はどうなるのか?
無くなる事は無いのですが、一部の畑を碾茶へチェンジする人が増えるので、これまで煎茶を作っていた収量が減ります。
すると、今度は煎茶の希少価値が出てきます。
気軽に購入出来ていた煎茶も高騰して、
ますます国内の【お茶離れ】が顕著になるかもしれません。
今度は希少価値のある煎茶を続けている農家さん達が、ウハウハ。
なんて事もあるかもしれませんね。
現場で働く職人の肌感覚として…
これが現場で働く職人の実際の感想です。
テレビや新聞、ネットの情報ではなく、肌感覚で、そう感じます。
そして、これが一過性の物ではなく、恐らく、少なくとも来年以降も続くと思っています。

国内需要は減り、海外に買われる未来?
今後、抹茶の国内需要は、多少は増えるかもしれません。
しかし、圧倒的に海外需要が増えていくでしょう。
そして、国産抹茶は、価格がどんどん上がっていきます。
すると、国内で今まで購入してきた人やお店が、
「こんな値段…!?」と、躊躇してしまうような価格になるかもしれません。
なぜなら、そんな価格帯でも、海外からすれば安い。
故に購入するのは海外勢ばかり。
売る側も、最初は今までの顧客に対して、
《急な値上げ》は、物価高や全体のバランスを調整しつつ我慢している側面もあったと思います。
しかし海外勢がどんどん買ってくれるなら…
価格を何倍と上げても売れる事実を知ったら…
さて、いつまで国内の為に我慢して価格を据え置きするでしょうか?
世界に抹茶が飲み込まれる日が来る?

世界は広い。
まだ、抹茶にそれ程興味を持っていない国だってあります。
そんな国々も興味を持つような時流がやってきたら…。
最早、抹茶は、お茶は、日本の文化では無くなっていくかもしれません。
海外の、日本とは比べ物にならない資産家の人達が、日本のお茶を買い占める。
原料となる畑を、工場を、そして自国で生産もする、なんて未来が待っているかもしれない。
国産のお茶を飲むなんて、一部のお金持ちだけの楽しみになる。
そんな未来がやってきて良いのだろうか?
今が最後のチャンス?
今が一番安く、抹茶を楽しめるのかもしれません。
※こちらでも現在(2025年7月21日)売り切れ品が続出してるようです。
どうなっていくのやら…👇

信じるか信じないかは、アナタ次第です!(笑)
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