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思い出のキャバクラ裏方日記②|笑顔と罰金と逃避行

キャバクラで働く溶接マン ライフスタイル
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リーダーって、ぶっちゃけ何する人?

ウェイターの1つ上の役職、『リーダー』とは?

主任とかマネージャーって役職名は、何となく管理者って感じがする。でも、リーダーって(笑)小学生みたい。

で、実際に大した事は無かったです。ウェイター達とやる事は同じですが、ほんのちょっとだけ偉そうに指示が出来る。「私は〇〇をするので、あなたは△△をしてください」って感じ。

当時25歳くらいだった私より、2つ3つ年上の人がリーダーでした。他に2人、年上と年下のウェイターがいました。

夜の仕事では、年功序列制度はありません完全実力主義なので、年下であろうが役職が上の人には敬語を使います。

それこそ若気の至りなんでしょうが、「年下にタメ口なんてきかれたら許せない」という人間でしたが、『ルールはルール』。きっちり守っていました。

大学生だという年下の先輩ウェイターにも、私は敬語で話します。


年下の先輩、ウエダくん

彼の名前は『ウエダ』くん。彼には、業界の事や店の内情なんかを色々教えてもらいました。

ウエダくんは、めっちゃいいヤツでした。敬語で話す私に「敬語をやめてくれ」って言うし、友達のような関係で接してくれました。

彼のおかげで馴染めたと思います。

特に、『キャッチ』という声掛けが、めちゃくちゃ苦手だった私。ウエダくんはキャッチが得意で、やり方も色々教えてくれました。


キャッチが苦手だった私と、笑わせ屋ウエダ

一番嫌だったのは、勇気を出して「1件いかがですか?」と声をかけたのに、無視されること。

汚い物を見るかのように蔑まされ、時には犬を追い払うかのように手で『シッ、シッ』とされます。マジでやめてほしい。人間ですから!

ところが、ウエダくんはそんな事、全く気にしない。即座に次のお客を狙います。

ある時、私はウエダくんに言いました。

私:「無視されたり、追い払われたらヘコむよな」
ウエダ:「そう?別に気にせーへんかったらエエやん。」
私:「ウエダはメンタル強いな」
ウエダ:「そんな事ないで。がんもっくさんは真面目すぎるんちゃう?もっと遊んだらエエねん。」
私:「遊ぶ?遊ぶって言われても…」
ウエダ:「俺は歩いてる人を店に呼び込もうとするんじゃなくて、笑わせようと思ってんねん。

笑わせる?そんな事考えた事なかった。

観察してみると、ウエダくんは「昨日の〇〇見ました?」とか「今日は誰も店に来てくれへんなぁ。どう思います?」と話しかけたり、酷い時は「ちょっと見て」と言って芸人の一発ギャグをパクって見せたり……。

当然ですが、見ず知らずの通りすがりの人達にやっていたのです。

意外な事に、思わず笑ってしまう人や、ノリのいい人は会話してくれたり、とても楽しそう。

結果として、やっぱり店には寄らず立ち去る人が多いのですが、何回かに1回、2回はそのまま店に来てくれる事もありました。

キャッチとして成り立ってないようで、**成り立っている。**何より、楽しそうでした。

「がんもっくさんも、一緒にやりましょうよ」とウエダくんに誘われ、私も挑戦。

スルーされる事があっても、お互いを笑わせたら勝ち!みたいな感じになっていき、段々とキャッチ成功率も上がっていきました。

おかげで、人前でボケるなんて余裕になりました。

通りすがりの人を笑わせるウエダくん

掟破りの金髪バンドマン先輩

他にも、私が新人であるが故に、リーダーに理不尽な仕事を押し付けられていた時も、私を助ける為に裏で動いてくれていたり、先輩として尊敬出来るカッコいい男でした。

後の話ですが、そんな彼が姿を消したのは、驚きと淋しさと、悲しい出来事でした…。

もう一人の先輩ウェイターは、**金髪バンドマンのような雰囲気の人。**この人も良い人でした。

遅刻ばっかりしていて、ヘラヘラといつも笑ってるし、フニャフニャと開店準備をするのですが、営業時間になるとシャキッと立ち回ります。

その姿は、ボーイとして完璧

ウェイター達から一目置かれていましたが、専務からは要注意人物扱い。なぜだろう?と思っていたのですが、これについては後になってわかりました。

掟を破っていたのです。しかも、最も大事な掟を。

店の女の子に手を出していたのです。これはアカン。ヤバいッスよ。

一度、専務のスパイによってその事実が発覚してしまいました。

翌日、バンドマン先輩は立派な金髪頭から坊主頭に変わっていました。「へへへ」と、いつも通りヘラヘラしていましたが、ガリガリのバンドマンが坊主頭て。笑いそうになるのを我慢するのが大変です。

それから何日かして、坊主姿に慣れてきた頃、バンドマン先輩は店に来なくなりました。

どうしたのかな?と気にしていたのですが、数日経って事情が分かり始めました。


愛の逃避行と、その結末

愛の逃避行をする二人

バンドマン先輩は、同じ女の子に手を出して、2人で逃げていたそうなんです。

驚いたのは、2人とも真剣交際をしていた事。

「2人が一緒になるには、愛の逃避行しか無い」と思ったんですかね?

「バイト辞めます」って言って2人で辞めれば良かったのに……。

ところが……。

1週間ほどして、バンドマン先輩は見つかったと報告がありました。

正確には、見つけられてしまったとの事です。

やはり、こういう『夜の仕事』というのは、皆さんもご存知かもしれませんが、バックにヤ〇ザのような方達がいらっしゃいます。

私が普通にキャッチしたり、ホール業務をしてる間、血眼になって探していたようで……。

無事(?)に見つかったバンドマン先輩は、お叱りを受けて復帰されました。

少し伸びかけていた髪の毛は、さらに短い坊主頭に。前と違ったのは、片目に大きな眼帯をしていた事。いつものようにヘラヘラ笑うと前歯が無かった事です。……お察しください。

そんな風な【楽しい職場】でしたので、「簡単に辞めます」って言えなかったんだな。

アハハと笑いながら、

(俺は辞めたくなった時はどうすればいいんだろう?)

と、薄明るくなった夜空を見て考えていました。


ウエダくんも…そして今思うこと

最終的に、バンドマン先輩は1ヶ月後くらいには来なくなりました。

そして、私が辞める1ヶ月ほど前には、ウエダくんも辞めてしまいました。

驚いた事に……ウエダくんも女の子に手を出して、逃げました。

みんな、好っきゃねぇ。俺には理解できん。考えられへん。

以上、ウェイター時代の思い出でした。

ウエイター業務を頑張る人

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