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抹茶ブームで感じる「世界と日本の差」

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抹茶ブームの中、町工場で石臼機を点検する日本人職人。細部まで丁寧に仕上げる誠実なものづくりのイメージ 本業
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近年、抹茶ブームの勢いは止まらず、海外からの問い合わせが絶えません。ありがたいことではありますが、その一方でどうしても「世界と日本の差」を感じざるを得ない場面が多くあります。


資金力の違いを痛感

まず大きな差は【資金力】です。
私たちが製造している石臼機は、日本人の感覚からすると高額に思われるかもしれません。ですが、実際に職人として製造に携わっていると「妥当な価格」だと感じます。

他社製品と比べ、見た目にもこだわっています。カフェや店舗に馴染むデザイン使いやすさを重視しながら安全面にも配慮して、見えない部分にまで手をかけ、妥協なく仕上げる。完成まで気を抜ける工程はなく、正直とても疲れる仕事です。その分、価格が上がるのは当然といえるでしょう。

ところが国内では、価格を知ると購入を諦める個人のお客様も少なくありませんでした。実際に導入するのは資金力のある企業が中心です。
一方で、海外からの購入者は驚くほどスムーズ。現物を確認しに来日しても、価格を聞いて顔色ひとつ変えず、即決する人もいます。値切られることもありません。

アメリカ、香港、オーストラリア、インドネシアなど、世界中から問い合わせがありますが、ほとんどのお客様が価格に不満を示さないのです。物価差や富裕層の資金力、その両方を見せつけられている気がします。

海外からのお客さん、抹茶機械の価格に驚く様子はなく、商談が進む雰囲気。

抹茶を知らない国からの問い合わせも

さらに驚かされるのは、抹茶にほとんど知識がない国からの問い合わせ。
ある大富豪はこう言いました。

「広大な土地で茶葉を育て、石臼で抹茶にしたい。1時間で40gしか挽けないと聞いたから、数十台、いずれは1000台欲しい。」

一見するとありがたい話ですが、現実はそう簡単ではありません。

小さな町工場の職人。しかも石臼機以外にも仕事がある中で、年間十数台を作るのが限界。仮に、仕事を石臼機に特化して、外注なども積極的に使ったとして、量産体制を整えたとしても、そもそも日本で石臼そのものを製造できる石職人が少ない。石臼自体が手に入らないんです。原料の碾茶(てんちゃ)を育てるのも数年単位の大仕事です。

さらに、碾茶は荒茶工場や精選工場での加工が必要。畑を作って工場を建て、機械を買えば済む話ではなく、全てにおいてノウハウが欠かせません

つまり――

「お金さえあれば出来るものじゃない」 のです。

私たちはそんな現実を、親切丁寧に説明してしまう。商売下手かもしれませんが、誰かのためになる精神」こそ、我が社の誇りです。

抹茶の原料となる碾茶畑と、町工場で製造中の石臼機。お金では買えない職人技と時間の積み重ねを表現。

世界の現実を突きつけられる

別のお客様は「石臼を自作して手で挽いた」と話していました。しかも、直径33センチの業務用石臼を1時間も!

「すごいですね」と答えると、その人はこう言いました。

「私がやったのではない。奴隷にやらせた。」

耳を疑いました。
その国では今もなお、貧富の差が激しく、そうした環境でしか生きられない人たちが大勢いるのです。

日本にも格差はありますが、世界には想像以上の現実があります。抹茶ブームを通じて、そんな「世界との違い」を考えさせられることも増えました。

世界の貧富の差を象徴する対比。豪華な屋敷と、過酷な労働を強いられる人々を暗示する構図。抹茶ブームの裏にある現実をイメージ。

技術が正しく評価されるために

メディアでは「抹茶不足」「原料不足」といった報道も多いですが、急に増やすことはできません。積み重ねてきた努力や時間があってこそ、今の品質があるのです。

農家さん問屋さん茶師さん――長年の経験と技術が正しく評価される。
そんな未来になってほしいと思います。


職人の誠意は、どこにも負けない

正直、私たちは商売がうまいわけではありません。
でも、誰かのためにという気持ちだけは、どこにも負けない。

見えない部分にも手を抜かず、納得できるまで作り込む。
そんな仕事を積み重ねてきたからこそ、今があります。

抹茶ブームの波に飲まれることなく、
これからも誠実なモノづくりを続けていきたいと思います。

照明に照らされた工房の中で、真剣な表情で石臼機の微調整を行う職人。見えない部分にも手を抜かない誠実なものづくりを象徴。

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